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遠隔去勢症に對する「アンドロステロン」「テストステロン・プロピオナート」の効果に就て
秋鹿 不二男
1
,
平馬 秀彦
1
1東京醫科大學病院泌尿器科教室
pp.170-175
発行日 1949年4月1日
Published Date 1949/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200178
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緒言
男性ホルモンの學理的研究に就ては既に多數の業續で明確な釋明を與えられて居り其文献は多いが一々説述するの繁は避けたい.其多くは動物實驗を基調とされているが蓋し止を得ない事である.余等は是を性慾滅退を訴える色々な患者或は性ホルモン減退による續發性疾患に適用して是等貴重な研究を臨床に移さんと試みているが人體の諸疾患では其結果の確然とした成績を記載する迄に至るもの少なかつたのは,此種の疾患は患者の感じと訴を主とする爲めに科學的な調査が困難であり,又患者の中途癈療等で意の如くでない.
本例は早期に去勢し十數年を經て今日殆ど女性的な外觀を呈した人に行つた經驗であり,此點貴重な例症である.藥物は本學藥理學教室原教授の秘藏品を好意により分與されたものであり,又同氏の示教によるものがある.
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