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恥垢中スピロヘータ並に紡錘状桿菌の檢索
髙森 通夫
1
1國立大村病院皮泌科
pp.167-169
発行日 1948年10月1日
Published Date 1948/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200111
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緒言
1894年Plaut及びVincentに依り扁桃腺炎の義膜中に紡錘状菌が發見されて以來、本菌はTreponema Vincentiと共棲作用を營み壞疽性潰瘍性アンギーナの原因となると云はれた。その後本菌は口腔粘膜の炎症部のみならず中耳炎、虫垂炎、肺壞疽等にも認められる事が明になつた。其後CeillayとDrulleは陰核及男の恥垢中にも一種のスピロヘータ(Spirochaeta refringens)を發見し紡錘状菌との共棲を認め、時にそれ等による病變も惹起され得るとしそれを症状により環状性糜爛性龜頭炎と壞疽性竈頭炎とに分けている。1922年にはBlamsが100例の恥垢中に51%に,Kantherは24例の婦人の恥垢中に15例の共棲を證明した。尚野口氏は1918年に健康男子の恥垢中から3種のスピロヘータを培養している。我々は國立大村病院入院患者195名の恥垢に就てスピロヘータ並に紡錘状菌を檢索して見た。同時にその中の115名に齒垢をも調査した。染色は齒垢はレフレルのメチレン青染色,恥垢は恥垢菌をも見る爲にチールネルゼン染色法を用いた。
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