原著
位相差顯微鏡による腟Monilia症の檢索
貴家 寬而
1
,
大川 知之
1
1東北大學醫學部産婦人科教室
pp.647-648
発行日 1953年11月10日
Published Date 1953/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200912
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Monilia症とは古くからの呼稱でCandida屬による疾患であり,現在Candidiasisと呼ばれるものである。Candidaは抗生物質療法に抵抗し菌交代現象として發育が促進ざれ,感染症として毒性が強められる事から各科に於て重要視されるに至つた。腟Monilia症は既に1840年Wilkinsonに依つて初めて腟内に芽生菌を發見して以來,外國では比較的多數の報告に接するが我國に於ては水野(1936)松浦(1939)兩氏の研究がなされたに過ぎず久しく忘れられていた疾病であつた。しかるに最近抗生物質療法の重大な副作用としてMoni-lia症の發現される事,それと並行してこれに對する抗黴物質の研究が漸く盛んになつて來た1952年以降再び注目されるに至つたものである。腟Monilia症は帶下及び外陰部療痒を訴るもので,腟Trichomonas症と共に帶下疾患の重要な原因として又これ迄外陰部療痒症として治療されて來たものの大半がMonilia症である事も判明した。
臨床的に腟Monilia症を診斷するには主訴(帶下及び外陰部療痒)並に症状(外陰腟炎及び僞膜形成)を參老にするも決定的にはその原因菌たるCandidaを證明しなければならない。
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