Japanese
English
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結石・腫瘍を合併した馬蹄鉄腎の2例
TWO CASES OF HORSESHOE KIDNEY WITH CALCULI AND TUMOR
大井 好忠
1
Yoshitada OHI
1
1鹿児島大学医学部皮膚泌尿器科教室
1Department of Urology Kagoshima University, School of Medicine
pp.447-451
発行日 1964年5月1日
Published Date 1964/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491203769
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I.はじめに
馬蹄鉄腎は腎の先天性奇型の一つであり,19世紀すでにMorgagni, Rayerによつて報告されかなり古くから知られている疾患であり,比較的稀な疾患とされてきたが,近年多くの報告がある。1910年近藤の記載以来本邦においては大川(1960)まで178例の報告があり,1963年までに215例の報告がみられる。このうち合併症として結石をともなつた症例は大川は56例という。腫瘍合併例はさらに少く,高安(1958)まで2例,大川(1960)までに3例をかぞえるのみであり,とくに結石・腫瘍合併例は夏秋(1922)の1例のみである。馬蹄鉄腎の橋部離断術は斎藤(1936)を嚆矢とし高安までに16例,1963年までに31例の報告があるが,結石合併例の橋部離断術施行例は大川によれば4例にすぎない。最近著者は結石,結石・腫瘍を合併した馬蹄鉄腎2例を経験し,1例に橋部離断術,腎盂切石術兼腎固定術を施行し,他の1例に橋部離断術兼半腎摘除術を施行したので,いささかの文献的考察をくわえて報告する。
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