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再び放尿時疼痛を主訴とした興味ある藥疹に就て
鈴木 正孝
pp.22-24
発行日 1948年1月1日
Published Date 1948/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200067
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1.緒言
余31)30)は曩にミグレニン及びキニーネの服用によつて,殊に,尿道,尿道口,龜頭竝に包皮等に發疹し,放尿時の疼痛を主訴とした藥疹に就て記載するところがあつたが,最近,たまたま,アスピリンの服用によって尿道口,龜頭及び包皮等に發疹し,放尿時の劇痛を主訴とした藥疹に再び遭遇したので,追加症例として報告する次第である。
抑々藥物に基因して發現する藥疹は,臨牀學者の夙に留意研究したところであるが,近時,アレルギー性疾患の分野が展開せらるるに及び,これらに關する研究報告は續出するに至つた。即ち,山田1),伊藤2),福田)等はアンチピリン疹,荒井4),三橋5),皆見,奥野7),鈴木0)等はミグレニン疹,川崎8)はザリピリン疹,高原9),よセダロン疹田苗10),新谷11)等はルミナール及びプロムラール疹,渡邊12)はヴェロナール疹,鈴木13),井上14)等はキニーネ疹,宮崎1),齋藤16)のサルバルサン疹,内田,中原17)等はブローム疹,花岡18),永田19),岩切20),高井,榊原21)等はラキサトール或はヘノールフタレン,疹大杉2)は金疹,加賀谷4)はアンチモニー疹を公にせられ,又,靑島4)は藥疹の統計的觀察を,黑田,本田26),高橋26),宮崎7)等は藥疹の成因に就て,何れも興味ある所見を發表してゐる。
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