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副乳房を伴へる類宦官症
榊原 溫佐
1
1北海道帝國大學醫學部皮膚科泌尿器科教室
pp.40-42
発行日 1946年11月10日
Published Date 1946/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1491200011
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類宦官症はそれほど少いものではない。我國に於ても足立(明治32年)以來今日まで既に83例の記載が見られる。恐らく報告されでゐないものを合せると,かなり多數に昇つてゐるものと思ふ。然しながら,それ等を通覽すると,本症として具備さるべき所見の外に何等か他の異常を伴つた症例はかなり少い。著者は最近定型的の副乳房を伴つた症例に遭遇した。いふまでもなく類宦官症は生殖腺と極めて密接な關係にあり,少數のものには遺傳的關係も證明されてゐるが,これに第二次性徴と關聯があり且隔世遺傅的に發現すると稱されてゐる副乳房が合併してゐたのは極あて興味深い。以下類宦官症に伴へる他の異常を少しく文獻から渉獵して著者の例を考按して見ようと思ふ。
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