特集 エキスパートに学ぶ 知っておきたい心電図診断のコツと落とし穴
序文
小菅 雅美
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター心臓血管センター
pp.162-163
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200466
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新型コロナウイルス感染症の感染拡大でPCR検査が話題となり,検査に求められるのは“簡便に行えてすぐに結果が出ること”だと改めて感じました.心電図検査はこの条件を満たし,さらに非侵襲的で安価です.
心電図は100年以上も前から存在する古い検査法でありながら,今なお循環器診療で最初に行われる基本検査であることに変わりありません.今後,画像診断がどんなに目覚ましい進歩を遂げても,心電図は決してなくなることのない検査法だと思っています.心電図から得られる情報量は心筋虚血・不整脈を筆頭に限りなく多い一方で,その診断は必ずしも容易ではありません.臨床現場では教科書に載っているような典型的な例ばかりではなく,診断に苦慮する例は少なくありません.
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