特集 抗血栓療法—日常臨床での疑問に応える
Ⅲ.深部静脈血栓症・肺血栓塞栓症に対する抗血栓療法
がん関連静脈血栓塞栓症に対する抗凝固療法の注意点は?
山下 侑吾
1
,
坂本 二郎
2
1京都大学医学部附属病院循環器内科
2天理よろづ相談所病院循環器内科
pp.650-657
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200422
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Point
・「がん」は,「静脈血栓塞栓症」の重要な背景因子であり,「がん関連静脈血栓塞栓症」は,近年ますます重要になってきている.
・がん関連静脈血栓塞栓症は,高い再発リスクを有しており,再発予防のために長期的な抗凝固療法が必要となる.一方で,抗凝固療法に伴う出血リスクにも警戒が必要であり,がん患者では特に注意を要する.
・抗凝固療法は,再発と出血リスクのバランスを考慮したうえで,個々の症例において慎重に検討すべきであり,抗凝固薬を内服中は,患者の状態を注意深く観察し,その変化に応じて対応を考慮する必要がある.
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