特集 不整脈治療の最新デバイステクノロジーとリードマネジメント
序文
庄田 守男
1,2
1東京女子医科大学循環器内科
2信州大学医学部循環器内科
pp.404-405
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200384
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心臓ペースメーカは1930年代,除細動器は1940年代にその原形が開発された.第二次世界大戦が1939〜1945年であるので,戦後の約80年間でこれらの医療機器は急速に進歩を遂げたことになる.ちょうど同じ頃,日本には昭和の三種の神器(テレビ,洗濯機,冷蔵庫)が存在し,それぞれが現在の形に進歩していったのであるが,巨大な体外式ペースメーカが心臓の中に植込むカプセル型のペースメーカに進歩したことを考えると,医療機器の進化の凄まじさが理解できるであろう.
不整脈治療の最新デバイスといえば,前出のリードレスペースメーカ以外に,致死的心室性不整脈に対する様々な除細動器があり,そのなかには経静脈的にリードを植込むシステムだけではなく,皮下植込み型除細動器,ベストの様に着脱できる着用型自動除細動器などがある.さらに心不全治療にまで守備範囲を広げた心臓再同期治療は,現在では確立した治療法として位置付けられている.進歩はハードウェアだけではない.対面診療なしでもデバイスや不整脈の状況を診断できる遠隔モニタリングのネットワークは世界中で確立し,今後はスマホなどの携帯端末やAI技術などを使った総合的な健康管理システムに進化するはずである.
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