特集 肺高血圧症Cutting Edge
Ⅴ.肺高血圧症のトピックスあるいはコントラバーシ
upfront combinationあるいはsequential combination,どちらがリーズナブルか?
波多野 将
1
1東京大学大学院医学系研究科重症心不全治療開発講座
pp.444-451
発行日 2018年7月1日
Published Date 2018/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200176
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Point
・典型的な特発性/遺伝性肺動脈性肺高血圧症(I/HPAH)であればupfront combinationのほうが望ましい.
・I/HPAHで平均肺動脈圧が非常に高い(概ね50mmHg以上)場合には,WHO機能分類によらず静注/皮下注プロスタグランジン製剤を含むupfront combinationを考慮するべき.
・左心疾患や肺疾患の要素を含むPAHに対してはsequential combinationのほうが良い場合が多い.全身性強皮症の患者や高齢者にはこのような患者が多いので注意が必要である.
・先天性心疾患に伴うPAHの場合,シャント修復後であれば原則IPAHに準じた治療を行うが,治療目標は必ずしもIPAHと同じである必要はなく,結果としてupfront combinationを行う必要がないこともある.
・アイゼンメンジャー症候群に対するupfront combinationの優位性を示した報告はなく,sequential combinationが良いと思われる.
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