特集 Structural Heart Diseaseインターベンション—「新しい」インターベンションのすべて
Ⅱ.MitraClip
MitraClip—これまでのエビデンスと現在進行中のトライアル
鶴田 ひかる
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
pp.222-228
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200141
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Point
・MitraClipの適切な患者選択を検討するうえで,欧米における治療の現状とエビデンスを知ることは重要である.
・EVEREST Ⅱ試験は外科手術可能のMR例を対象とし,MitraClip群は外科治療に比し再手術が有意に多い結果であった.
・同試験は,高齢,機能性MR,EF60%未満の例では,外科治療とMitraClip治療の成績は同等であること,器質性MRの例では外科手術の成績が優れることを明らかにした.
・欧州の多施設レジストリでは高齢,機能性MR例を治療対象の主体とし,高い手技成功率とQOL改善が示されている.
・MitraClipはMR合併心不全の重要な治療選択肢として期待されるが,現時点では生命予後改善を示すデータはなく,今後の知見が待たれる.
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