特集 どう診る? 急増する非結核性抗酸菌症,見逃せない結核
Ⅱ.非結核性抗酸菌症 各論
非結核性抗酸菌症への生物学的製剤の使用
徳田 均
1
1独立行政法人地域医療機能推進機構東京山手メディカルセンター呼吸器内科
pp.234-240
発行日 2022年5月1日
Published Date 2022/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200549
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Point
・関節リウマチ(RA)では,非結核性抗酸菌症(NTM症)の併発が多く,生物学的製剤の投与下でそのリスクはさらに増加する.これには肺の基礎疾患の合併などが関与している.
・疾患活動性の高い例RAでは,特に肺の基礎疾患の合併が多くかつ高度で,そのためNTM症の合併,発症が多い.このような患者こそ生物学的製剤の投与を必要としている.
・NTM症を合併したRAで生物学的製剤の投与が必要な場合,菌種,X線病型,全身状態などを慎重に評価したうえで,NTM症の治療と並行しての生物学的製剤投与は可能である.予後は決して不良ではない.
・炎症性腸疾患,乾癬,ぶどう膜炎などでは,RAほどのリスクは報告されていないが,慎重な対応は必要である.
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