特集 呼吸器感染症診療の最前線—症例から学ぶエキスパートの視点
Ⅲ.肺炎
院内肺炎/医療・介護関連肺炎の診断と治療,AMR対策
塚田 弘樹
1
1東京慈恵会医科大学附属柏病院感染制御部
pp.220-228
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200351
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Point
・医療・介護関連,院内肺炎が共通のフロチャートで治療方針が決定され,ケースによってはescalation治療も推奨されることが提案された.
・医学的な判断と家族や介護者の理解を基に,終末期と判断される場合には本人の意思を尊重し,家族を交えた医療ケアチームで肺炎の診療方針を決定する過程が盛り込まれたことが,わが国のNHCAP/HAPのガイドラインの大きな特徴である.
・NHCAP/HAPにおける重症度評価は,セプシスを示唆するq-SOFAに加えて,NHCAPはA-DROPで,HAPはI-ROADで判断する.
・敗血症,重症例でかつ耐性菌のリスクが高いと判断された群に対しては,広域抗菌薬併用で初期治療を開始することも考慮するが,可能であれば狭域の薬剤への変更を考慮する治療戦略,すなわちde-escalation治療を選択する.
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