特集 「咳嗽」と「喀痰」を診る
Ⅱ.咳嗽・喀痰を来す主な疾患
高齢者の誤嚥に伴う咳嗽・喀痰(嚥下性細気管支炎など)
岩永 賢司
1
,
東田 有智
1
1近畿大学医学部内科学呼吸器・アレルギー内科部門
pp.466-471
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200169
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Point
・高齢者では咳反射,嚥下機能が低下しており,誤嚥を起こしやすくなる.高齢者の肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎である.
・薬剤による誤嚥性肺炎予防のメタ解析では,ACE阻害薬はハイリスク患者に限って有用であるが(誤嚥性肺炎予防単独では保険適用なし),シロスタゾールは出血の危険性があるので使用すべきではないとされる.
・びまん性嚥下性細気管支炎は,喘息とよく似た慢性の咳嗽や喀痰,喘鳴を呈するので,鑑別に留意する.
・誤嚥性肺炎で入院した高齢者に対する早期リハビリテーションはADLの改善に有用であり,嚥下リハビリテーションは全経口摂取が可能になるという効果を高める.
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