特集 「咳嗽」と「喀痰」を診る
Ⅱ.咳嗽・喀痰を来す主な疾患
アトピー咳嗽からの新展開—喉頭異常感からみた慢性咳嗽の診かた
小川 晴彦
1
1石川県済生会金沢病院内科
pp.408-416
発行日 2018年8月1日
Published Date 2018/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200162
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Point
・アトピー咳嗽は,喉頭異常感の有無を問わない慢性咳嗽の原因疾患である.一方,喉頭アレルギーは,喉頭粘膜におけるⅠ型アレルギーで,アナフィラキシーを呈する急性型とそれ以外の慢性型に分類される.咳症状を伴うとは限らない喉頭異常感を主体とした疾患概念である.
・難治性咳嗽には,慢性咳嗽の原因・増悪因子として重要な担子菌に対する治療管理により改善できる可能性を残している症例が存在する.経口ステロイド薬,中枢性作動薬の使用を考える際には専門病院との連携が望まれる.
・喉頭異常感を根拠に,慢性咳嗽の原因疾患を特定することはできないが,存在している咳疾患を推測することは可能かもしれない.慢性咳嗽のsubstantial controlは,咳嗽症状と咳関連喉頭異常感の双方が十分に改善して初めて達成される.ニューキャスル喉頭過敏質問票の日本語版(小川,新実版)と,レスター咳質問票との併用はtotal managementに有用と考えられる.
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