連載 Dr.長坂の身体所見でアプローチする呼吸器診療・11
検診(健診)で発見された症例
長坂 行雄
1,2
1洛和会音羽病院
2洛和会京都呼吸器センター
pp.178-184
発行日 2018年2月1日
Published Date 2018/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200123
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検診(健診)は,あまり症状のない疾患の発見に役立つ.結核検診では早期発見で蔓延を防ぎ,がんであれば早期発見,治療を目指す.市町村の住民検診などの対策型検診は集団の死亡率,罹患率の低減,人間ドックのような任意型検診は個人の死亡リスクの低減が目標である.症状がない状態での早期発見を期待するが,京都府の統計では,がん検診の受診理由の約10%が気になる症状があったから,であるという1).
少し古い報告2)だが,1998年には25歳以上の成人の約60%が定期結核検診を受診した.結核発見率は受診者10万人対,学校検診で3,職場検診で6,住民検診で16,うち排菌ありは35%であった.40歳以上では,1名の結核患者の発見コストは440万円であった.2014年の人口10万対の結核罹患率は,全国で15,大阪市が37,あいりん地域では3843)で地域差が大きい.
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