特集 呼吸器感染症治療薬の上手な使い方—症例から紐解く達人の技
序文
門田 淳一
1
1大分大学医学部呼吸器・感染症内科学講座
pp.372-373
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1437200048
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
本特集は,日頃より呼吸器感染症の治療に最新の情報を駆使して取り組んでいるわが国のオピニオンリーダーの先生方に,「呼吸器感染症治療薬の上手な使い方—症例から紐解く達人の技—」と題して執筆をお願いした.本特集の特徴として,教科書的な解説にとどまらないように,まず症例の提示を基本とし,その症例に対する執筆者の治療薬選択の考え方を述べた後に,執筆項目の疾患に対する治療薬の使い方を総論的に解説していることにある.
呼吸器感染症は,気道感染症,肺炎,胸膜炎など部位別の分類とウイルス,細菌,抗酸菌,真菌,寄生虫など原因菌別の分類があり,その組み合わせにより治療薬の使い方も多岐にわたる.日常診療で遭遇する頻度の高い疾患や菌種を対象にして,非専門医の先生方にもどのような治療薬をどのように使用すれば最適で適正な治療になるのかをわかりやすく解説している.また,専門的な対応が必要な疾患や菌種についてもその領域の患者を多く診療し精通している達人が匠の技を解説しているが,エビデンスが未だ少なく治療開始時期,治療終了時期,治療期間あるいは治療法自体が確立していない領域もあり,現時点での治療薬の使い方であることに留意していただきたい.
Copyright © 2017, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.