扉
若葉の心
峯浦 一喜
1
1京都府立医科大学脳神経外科
pp.1037-1038
発行日 2002年10月10日
Published Date 2002/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436902280
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初夏の風がさわやかな昨今,下鴨神社の境内には春落ち葉が散り敷いています.新緑の季節に,うす茶色の葉が舞い落ちてくる不思議に驚き,常緑樹が夏に向けて準備しているのだと知りました.この文が掲載される頃は,美しい紅葉の便りがちらほら聞こえることでしょうが,秋の落ち葉とは違って,春の落ち葉にはもの悲しさはなく,次に備える若葉に力強い自然の息吹が感じられます.
下鴨神社に連なる800メートルにおよぶ糺(ただす)の森には平安の昔よりの木々がうっそうと生い茂っています.京都に移り住んで3年半.自然が豊かな東北の地にほぼ半世紀も暮らしていながら気付かなかった自然の細やかな摂理に,この森で出会い,驚きを感じることがしばしばです.
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