扉
脳外科医と脳ドック
西本 詮
1
1香川労災病院脳神経外科
pp.507-508
発行日 1994年6月10日
Published Date 1994/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436900847
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日本の脳外科医を世代別に分けることを試みた場合,多少の無理はあるが,昔一般外科と脳外科とを一緒にされていた方々を第1世代と考えると,第2世代は,一般外科の経験はあっても,脳外科のみを専門にして来られた方々であると言える.現在ではもうかなりの方々が,既に第一線を退かれて居り,最近亡くなられた,都留美都雄先生や森和夫先生もそのような方である.第2世代の間に,すべての大学や大病院に脳外科が開設され,専門医制度も確立した.そして今は最初から脳神経外科を専攻してきた第3世代に入ったと言えるのではなかろうか.
その間専門医は著しく増え続け,本年には4,000人を突破すると思われる.日本ではもはや脳外科施設は過剰となり,患者のとり合いといった現象さえ見られるようになった.脳血管吻合やmicrovascular decompression,頭蓋底外科の進歩,intravas—cular surgery,脊髄・脊椎外科への進出など,新しい手術領域の開発も行われたが,更にMRIの進歩で脳ドックが行われるようになり,予防医学への意欲も高まりつつある.
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