扉
東京の医療について
山口 武兼
1
1東京都保健医療公社
pp.1019-1020
発行日 2019年10月10日
Published Date 2019/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436204067
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私は,平成29年12月22日の東京都保健医療公社臨時理事会において,理事長に就任することになった.前任者が11月に病気で倒れ,理事長職を続けることが困難になったためである.それまで理事長職には,東京都職員の局長級の職員が退任後就任することになっていた.東京都の局長クラスの人材は極めて優秀で,状況判断に優れ決断力がある.そういう彼らが理事長としてくるのだから,組織としては機能するが,いかんせん在任期間が1〜2年ということでは,長期的な見通しの下に判断することは困難だった.小池百合子東京都知事は,平成28年の都知事選に当選後に東京都職員のいわゆる天下りを批判し,外郭団体の長については適材適所とすることを打ち出した.つまり,適任の人材がいれば,内部からの昇格を含め,外部からの起用を示唆した.これを受けて,私に役が回ってきた.
東京には平成28年10月1日現在,651病院がある.東京の病院の特徴は,民間の病院の占める割合は90%で,200床未満の病院が70%を占めている.同時に,12大学の附属病院があり,国立研究開発法人,国立病院機構,日本赤十字社,済生会など大病院がひしめいている.都立病院は8病院,5,113床であり,東京都保健医療公社は6病院,2,227床で,合わせて東京都全体の病床数約13万床の5.7%を占める.
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