今月の言葉
産科医の見たい初夢
竹内 繁喜
1
1都立築地産院
pp.7
発行日 1962年1月1日
Published Date 1962/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202253
- 有料閲覧
- 文献概要
まず新年の祝辞を申しあげ,皆さん方の今年の倍増幸福を心から祈ります.
さて,新しい年の初めに,私の見たい初夢を少しのべさせていただきましよう.私たち産婦人科医が集まると,将来の産科はどんなに変つてゆくだろうかということがよく話題にあがります.ある医者は,何十年も先になると手術や麻酔が発達するし,一人あたりのお産の回数も少なくなるから,今のような痛いお産なんかなくなつて,全部帝王切開になるだろう.赤ン坊の入る道と出る道とは違つているほうが何かと好都合だといいます.また,ある医者は,今後何百年もたつと,赤ン坊を子宮の中で発育させるなどということがなくなつて,全部人工発育装置が用いられ,婦人が大きなお腹をかかえて街をあるいたりするしゆう態から解放されるだろうといいます.
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.