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I.目的
1985年11月の厚生省脳死に関する研究班(竹内一夫委員長)の報告によれば"脳死とは脳幹を含む全脳髄の不可逆的な機能喪失の状態である"と定義されている15).脳死の定義を全脳死とするか英国基準の如く脳幹死とするかは基準によって様々であるが,いずれの基準でも脳幹機能の廃絶は脳死判定の絶対必要条件として断定されているところである.一方,脳幹部とは視床下部を含めた間脳,中脳,橋,延髄の総称である18)が,現在までのところ,脳死患者において脳部の一部である視床下部機能が真に廃絶しているか否かについては明らかではない.今回,われわれは脳死状態における視床下部下垂体系機能の存否を確認する目的で脳死患者を対象に下垂体ホルモン基礎値の測定,下垂体負荷試験を行い,さらに一部の患者の視床下部ホルモンの測定を行ったので報告する.
According to the report of the Health and Welfare Ministry's research committee on brain death (1985), "brain death is defined as an irreversible cessation of the total brain function including brain stem." However, in brain death patients, whether the hypothalamic func-tion which belongs to the brain stem function has com-pletely ceased or not is unknown.
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