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I.はじめに
視床下部過誤腫の診断には,思春期早発症などの臨床症状,内分泌学的検査所見に加えて,神経放射線学的にはこれまで主としてCTが行われてきた.その所見は鞍上槽から脚間槽にかけて正常脳と同じ吸収係数を有する腫瘤を認め,造影剤により増強されないといわれている1-6,10,11,14,17).しかし,視床下部との連続性の有無や周囲組織との解剖学的関係をみるため,再構成矢状断像5,10,16)やmetrizamide CTcisternography3,5,10)が必要である.一方,MRIは任意の断層面が得られるため,深部,特に正中病変の描出にすぐれている.また,MRIはCTと異なりプロトン密度,T1,T2値など信号強度に関与するパラメーターが多く,組織コントラストが強いため,病変の描出能にすぐれているといわれている.しかし,MRIにおける視床下部過誤腫の報告は,われわれが調べ得た限りでは散見されるに過ぎず7,9,15),本邦における報告はみられない.今回われわれは,2例の視床下部過誤腫に対してMRIを施行したので,その所見について報告する.
なお,使用したMRI装置は,旭Mark-J O.1T常電導装置で,使用したパルス系列はSR法(TR:500-600msec),IR法(TR:500msec,TI:300msec),SE法(TR:1000msec,TE:40-160msec)である.
Magnetic resonance (MR) findings of two patients with a hypothalamic hamartoma are discussed. The two girls showed clinical symptoms and endocrinological signs of precocious puberty. MR imaging was of diagnostic value superior to that of CT in the demonstration of the characteristic location of this tumor and relationships to the neighboring structures because of its multidimensional utility.
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