海外だより
中国における脳神経外科—最近15年間の進歩
王 忠誠
1
,
薛 慶澄
2
,
鄭 曼凱
2
1北京大学神経外科
2天津大学神経外科
pp.794-797
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436201352
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中国と日本とは,古くよりお互いに文化的に深いかかわり合いを持ってきたが,最近の半世紀間のみは一時的に不幸な関係にあった.現代の中国において,脳神経外科の臨床はどのように発達しているのか知りたいと思っている人は決して少なくないと思われる.最近,京都に半田肇教授を訪問された天津大学脳神経外科の薛慶澄教授よりもたらされた資料の中に,最近の中国における脳神経外科の現状を紹介する一文があり,その和訳を試みた.意外に感じられたことは,同じく漢字を用いておりながらも,両国語において医学用語が著しく異なることであった.例えば,脳ヘルニアに対する脳疝,レンズ核線条体動脈に対する豆紋動脈,グリオーマに対する晈質瘤,聴神経に対する听神経,視床に対する丘脳,クッシング症候群に対する伴発柯興氏綜合症,等を解読できるたびに,新鮮な驚きを味わったのである.薛教授からは,和訳に関する懇切な御助言とともに,立派な英漢医学辞書を1冊贈与していただいた.情報交流の場を目的とする本誌に拙訳を紹介することが,両国間の友好親善と文化交流の促進のためにいささかでも役立つことができれば幸いである.
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