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脳腫瘍ウイルスの具象と抽象
Brain Tumor Virus-Its Realistic or Abstracted Features
日沼 頼夫
1
Yorio HINUMA
1
1熊本大学微生物学教室
1Department of Microbiology, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
Brain tumor
,
virus
Keyword:
Brain tumor
,
virus
pp.319-320
発行日 1979年4月10日
Published Date 1979/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200962
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- Abstract 文献概要
かつて脳腫瘍の病因にウイルスを擬することは幻想としかいいようがなかった.ひそかに,しかしおびただしい脳腫瘍切片が電子顕微鏡下で観察されたにちがいない.しかしそれは幻滅のはずであった.何故ならば,現代ウイルス学は,ウイルス感染によって正常細胞が腫瘍化することを実証したあげく,その腫瘍化細胞内にはウイルス粒子の形態は認識し得ないことを証明したからである.そして存在するものはそのウイルスの遺伝子とそれによってコードされた一部のウイルス蛋白のみであるという原則を示した.そしてヒトを含めた動物の腫瘍の少くとも一部は,腫瘍ウイルスによって発生することが明らかにされている.
われわれは新しい鋭敏な生化学的,免疫学的方法を手にしている.そしてこれらの武器をもってする狩猟の対象には当然ヒト脳腫瘍が含まれてくる.
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