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Ⅰ.緒言
頭蓋内動脈瘤のうちで後頭蓋窩動脈瘤の占める比率は,一般には10-15%であるといわれている.しかしながら,臨床例における後頭蓋窩動脈瘤の頻度は,それよりもはるかに低い13).その理由の1つはWillis輪のanterior circulationの動脈瘤に比べて,後頭蓋窩動脈瘤の場合は,その診断が必ずしも容易でないことがあげられるであろう.すなわち,血管撮影で常に鮮明な血管陰影を描出することがむずかしく,また,血管陰影が後頭蓋窩骨陰影と重なるために,その読影が容易ではないことである1).このため,後頭蓋窩動脈瘤の中には,確定診断がつかず,原因不明のくも膜下出血の範疇に入れられている症例も存在すると考えられる.
さて,従来より後頭蓋窩動脈瘤破裂によるくも膜下出血(SAHと略す)に特異的な症状は少ないと報告されているが皆無ではない.若し,後頭蓋窩動脈瘤を疑わしめる特徴的な症状が出現すれば,診断上は,きわめて有力なものとなりうるであろう.ここにおいて,後頭蓋窩動脈瘤に対する症候学を個々の症例についてきめ細かく検討することは重要な課題と考える.
A case of ruptured vertebral aneurysm associated with bilateral abducens palsy and sleep induced dyspnea was reported.
The patient was 45-year-old man, earlier healthy, who had a sudden subarachnoid hemorrhage on Oct. 15, 1976, and was therefore admitted to Emergency Service with no other focal neurological signs than nuchal rigidity. Four days later, he had the attack of restlessness and raised systemic blood pressure followed by loss of consciousness and spontaneous respiration, suggesting a recurrence of subarachnoid hemorrhage.
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