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Ⅰ.はじめに
水溶性造影剤による脳室撮影には多くの利点があり,主として60%Conrayを用いて行われているが,反面,副作用として痙攣性の症状を呈する場合もあり,より安全性の高い造影剤の出現が望まれていた.先に,我々はDimer-X(methylglucamine iocarmate)の脳室撮影への応用を動物実験および臨床例によりて行ったところ,既存の同種薬剤の中では最も安全性が高いが,痙攣誘発能も決して看過しきれないという結果を得た13).
近年北欧において開発され,既に商品化されている新水溶性造影剤Amipaque(Metrizamide)は従来の水溶性造影剤と異なり,非イオン性のものでその毒性に関しても北欧諸国および西欧の一部において既に多くの研究が行われており,1973年のActa Radiologica(supplementum 335)に特集として掲載されているが,きわめて高い安全性を有するという結論がなされている.我々も,ごく最近Amipaqueを入手する機会を得たので,脳室造影剤としての有用性を動物実験で確認し,更に臨床例にも応用した結果,他剤との比較においても優れた安全性を有するという結論を得たので報告する.
The excellently low toxicity of a non-ionic watersoluble contrast medium Amipaque (Metrizamide), which is used for ventriculography, was confirmed by animal experiment and clinical application.
In the animal experiment, 20 adult mongrel dogs were used and in each of them 1.5-5.0 ml of Amipaque was injected intraventriculary or intracisternally. As a result, we obtained a finding that the Amipaque is cleary safe compared with other watersoluble contrast media, especially on epileptogenicity, while having an effect on the definition of picture and the nature of cerebrospinal fluid similar to other watersoluble contrast media.
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