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Ⅰ.はじめに
1965年1),Adains,らにより正常圧水頭症(以下NPHと略す)という概念が提唱されて以来,数多くの報告が見られてきたが,.本疾患の概念および発生機序,shunt手術適応の基準,その診断のための諸検査法およびその組合わせの優劣などについていまだかなりの混乱がみられている.われわれはこれまで,くも膜下出血後の髄液循環動態を中心に,NPHの診断および治療の問題点につき検討を行ってきた2,3,4).今回,NPH shuiit手術後の合併症として,high pressure hydrocephalusの場合より発生頻度が高いといわれる似膜下血腫について検討を加えたので報告する.
NPHに対するshunt手術は,必ずしも著効例ばかりでないことがしだいに判明しつつあるが,これはひとつには,適応の拡大により手術不適例までが含まれるに至ったこと,また一方,有効であるべき症例に術後硬膜下血腫が合併して効果の発現が見られないこと,などによると考えられる.現在までにわれわれの経験した硬膜下血腫合併の5症例を中心に,その診断,治療と対策について検討した.
This presentation is a study of five patients with normal pressure hydrocephalus (NPH) who developed subdural hematomas following shunt procedures.
The high rate of this complication of shunting operation (5 of 28 cases, 17.9%) gives us serious concern.
The average ages of 28 patients who were operated on for NPH are 52.4 years and that of 5 patients with subdural hematoma is 65.2 years, and 4 of these patients are between 68 years and 84 years. The causes of NPH are subarachnoid hemorrhage in three cases and unknown causes in two.
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