Japanese
English
手術手技
中大脳動脈瘤の手術
Operative Procedures of Aneurysm of the Middle Cerebral Artery
相羽 正
1
Tadashi AIBA
1
1虎の門病院脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Toranomon Hospital
キーワード:
Middle cerebral aneurysm
,
Surgical technique
Keyword:
Middle cerebral aneurysm
,
Surgical technique
pp.205-217
発行日 1975年3月10日
Published Date 1975/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436200277
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Ⅰ.はじめに
中大脳動脈瘤に対する直達手術は,(1)Sylvianfissureを開かねばならないこと,(2)その血行障害によって,直ちに片麻痺や失語症などの半球症候を呈する中大脳動脈とその主要分枝に手術操作を加えねばならぬこと,さらには,外径がたかだか0.1cmにすぎない穿通枝medial and lateral perforating arteriesの保存に細心の注意をはらわねば,やはり片麻痺などの術後合併症がおこりやすいこと,(3)中大脳動脈瘤,特にperipheral trifurcation部のそれは,多く中大脳動脈枝と一塊となり,一見動脈瘤より直接動脈枝がでているように見えることが少なくない.そのためにきわめて慎重な剥離を,しかも十分に行なわねば動脈瘤柄部閉塞が不可能なこと,などの理由により,従来,技術的に困難な手術の1つとされてきた.しかしながら,実際に行なってみればわかるように,Willis動脈輪前半部に位置する脳動脈瘤のなかでは最も浅いところに位置するために,十分な手術野を得やすいし,したがって手術操作も容易で,Sylvian fissureとその内部に存在する血管の解剖を熟知し,Sylvian fissureを上手に開くことができるようになりさえすれば,early bifurcationの動脈瘤など,ごく一部のものを除き,技術的には必ずしも困難な手術ではない.
以下,中大脳動脈瘤の手術に必要な局所解剖に触れた上で,我々の行なっている手術手技について述べたい.
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