報告記
第11回アジア・オセアニア国際頭蓋底外科会議(2012年10月27,28日)
斉藤 克也
1
1慶應義塾大学医学部脳神経外科
pp.527-528
発行日 2013年6月10日
Published Date 2013/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436102017
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2012年10月27,28日に第11回アジア・オセアニア国際頭蓋底外科会議が中国の北京にて開催されました.アジア・オセアニア頭蓋底協会は1991年に設立され,脳神経外科,耳鼻咽喉科,頭蓋顎顔面外科,形成外科,眼科,放射線科の中で頭蓋底疾患を専門とする医師たちで構成されています.第1回は,日本の東京において髙倉公朋先生のもとで第3回日本頭蓋底外科学会と兼ねて開催されたという歴史があります.今回の主催は北京大学のShengde Bao先生をpresident,Liwei Zhang先生をexecutive presidentとしてとり行われました.
2012年10月25,26日にpre-congress training courseが学会に先立って行われ,27,28日の学術集会では,特別講演,一般口演といった120題余りの演題が発表されました.出席者は中国,台湾,韓国,日本,インド,インドネシア,トルコといったアジア諸国の他にもカナダ,米国,ドイツといった欧米各国からの参加もみられました.ちょうど本学会開催1カ月前には中国で深刻な反日キャンペーンが起こり,日中関係が悪化する事態が起きた時期でした.その影響から日本からの参加者はかなり減ってしまったという事実は非常に残念でありました.国際的な学術交流の場が政治の影響を受けてしまうことはあってはならないことであり,今後このような事態が起こらないことを願いたいです.実際には日本の事務局が中国の主催者側と緊密に連絡を取り合い,安全性がある程度担保されたおかげもあり,無事学会に参加することができました.そのご尽力に対してこの場をお借りして感謝申し上げます.
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