扉
“卒前医学教育”はこのままでいいのか?
太田 富雄
1
Tomio OHTA
1
1大阪脳神経外科病院
pp.857-858
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436101832
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はじめに─CTの導入に伴う激震
コンピュータ技術の進化によって測定データの処理速度が信じられないほど高速化し,医学界に革命的変化がもたらされた.脳神経外科領域での象徴的出来事は,1970年代後半にcomputed tomography(CT)が導入され,神経学的診断法が頭蓋内疾患診断の主役の座を降りることになったことである.さらに,補助検査法としてそれまでルーティーンに用いられていた各種撮影法は,数年で姿を消してしまった.
今や,CTおよびmagnetic resonance imaging(MRI)は,症候性のみならず,無症候性疾患の存在までも診断し,頭蓋内腔のどこに存在する疾患も診断され,“no man's land”はなくなりつつある.現在では,CTおよびMRIなしに脳神経外科診療を行うことは考えられない.
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