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連載 悪性脳腫瘍治療の今とこれから
3.脳腫瘍の遺伝子治療―ヘルペスウイルスを用いた戦略
The Gene Therapy for Brain Tumors : The Strategy Utilizing Herpes Simplex Virus Type 1
井上 亮
1,2
,
藤木 稔
1
,
古林 秀則
1
Ryo INOUE
1,2
,
Minoru FUJIKI
1
,
Hidenori KOBAYASHI
1
1大分大学医学部脳神経外科
2大分大学医学部看護学科臨床看護学講座
1Department of Neurosurgery, Oita University Faculty of Medicine
2Department of Clinical Nursing, Oita University Faculty of Medicine
キーワード:
herpes simplex virus
,
amplicon
,
iBAC
,
oncolytic virus therapy
,
gene therapy
Keyword:
herpes simplex virus
,
amplicon
,
iBAC
,
oncolytic virus therapy
,
gene therapy
pp.265-276
発行日 2008年3月10日
Published Date 2008/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100711
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Ⅰ.はじめに
原発性脳腫瘍の中でも悪性脳腫瘍,特に神経膠芽腫は今なお治療効果の向上がほとんどみられず,手術,放射線・化学療法,免疫療法などに次ぐ新たな治療法の開発が待たれるところである.
近年の急速な分子生物学やウイルス学の進歩に伴い,遺伝子治療分野の発展もめざましいところである.これまで,レトロウイルス,アデノウイルス,アデノ随伴ウイルスなどさまざまなウイルスがベクターとして開発されてきた.
ヘルペスウイルス(HSV)についても同様であり,その巨大な遺伝子許容量や分裂・非分裂細胞を問わない感染域の広さなど,遺伝子治療に適した特徴を有した魅力的なウイルスである.
本稿においては,HSVを用いた遺伝子治療の最近の発展について,自験例を紹介しつつ述べる.
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