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第75回米国脳神経外科学会(American Association of Neurological Surgeons, AANS)総会は4月14日~19日にわたり,Washington D. C.において開催された.4月中旬のWashington D. C.といえば,例年ならばポトマック川辺の桜並木が非常に美しく,観光名所にもなっている.しかし今年は残念ながら,既に桜は散った後であった.今年はAANS総会が発足から75周年という節目の年(diamond jubilee)でもあり,会長のDonald Quest 先生(Columbia大学)は「過去を振り返ることで未来への展望を切り開いていく」重要性を会長講演で述べられた.4日間にわたり,米国内外からの最新の演題が発表された.内訳は,プレナリーセッション17題,一般口演132題,ポスター438題,招待・基調講演7題,教育講演11題,シンポジウム4個と盛りだくさんの内容であった.また79の朝食セミナーも開催され,私の恩師である河瀬 斌教授(慶應義塾大学)も講師として参加された.
プレナリーセッションの中で特に目を引いたのが,頸椎人工椎間板置換術に関する発表である.Iowa大学のTraynelisらは,頸椎椎間板ヘルニアによる神経根性頸椎症患者において,人工椎間板置換術は従来の頸椎前方除圧固定術に比べ,除痛効果や神経症状改善効果の面でより優れている,という多施設共同研究の結果を発表した.頸椎人工椎間板置換術は腰椎のそれに比べ手術手技は容易で合併症も少なく,将来本邦においても導入が予想されるが,現時点では術後フォローがまだ2年間と短期間であり,今後より長期の経過観察が必要であろう.
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