報告記
第23回 国際脳循環代謝学会報告記(2007年5月20~24日)
加納 恒男
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1日本大学医学部脳神経外科学系神経外科学分野
pp.843
発行日 2007年8月10日
Published Date 2007/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100602
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第23回International Symposium on Cerebral Blood Flow,Metabolism and Functionと,第8回International Conference on Quantification of Brain Function with PETが,2007年5月20日から24日にかけて大阪国際会議場で開催され,会長を岡山大学神経内科の阿部康二先生が,副会長を国立循環器病センターの飯田秀博先生が務められました.脳循環代謝学における最近の進歩を渉猟し,今後の研究の方向性を探ることを本会の主題として,12のシンポジウムを含む30のトピックスについて活発な意見交換が行われました.
会の印象は,神経細胞,グリア細胞ならびに脳血管相互の関わりあいに関する研究が多かったこと,また脳機能イメージングでは疾患あるいは病態に対するイメージングの感度,特異度の問題が議論されていたことなどで,これらの研究は今後しばらくの間本学会におけるトピックスになるものと思います.阿部会長は,脳循環代謝研究の温故知新ともいうべき“Meet the History”というセッションを企画され,Siesjö,Hossmann,Krieglstein,Moskowitz,Bazan,Pulsinelli,Park Chan,Heiss,Welsh,後藤文男,小暮久也,桐野高明,菅野 巌といった各領域の礎を築いた先生方より貴重な話を聞くまたとない機会を得ました.脳循環代謝研究の変遷を知るとともに,若い研究者に対する激励のメッセージをいただき,本セッションを企画された阿部会長に感謝いたします.
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