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Neurological Surgery No Shinkei Geka Volume 33, Issue 11 （November 2005）

Neurological Surgery 脳神経外科 33巻11号（2005年11月発行）

Japanese English

解剖を中心とした脳神経手術手技

脳外側面からのアプローチ The Lateral Approach 篠原治道 ¹ Harumichi SHINOHARA ¹ ¹金沢医科大学分子細胞形態科学　（解剖学） ¹Division of Anatomy Ⅱ,Kanazawa Medical University キーワード： human brain , fiber dissection , lateral approach , fasciculus , basal ganglia Keyword: human brain , fiber dissection , lateral approach , fasciculus , basal ganglia pp.1057-1070

発行日 2005年11月1日 Published Date 2005/11/1

DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100143

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Ⅰ．はじめに

　ホルマリン固定された脳の肉眼解剖学的学習法としては前頭面，水平面，矢状面でスライスされた断面を観察するのが一般的である．もう1つの学習方法，脳組織をヘラで刮ぐ（こそぐ，「こすりけずる」の意）Fiber dissectionと呼ばれる方法は400年以上も前から行われているが，その知見には様々な疑念を抱く余地があった．しかし近年，MRI技術の発達により神経束の活動がリアルタイムで可視化されるにおよび，その疑念は解消されつつある．それとともに，神経束に関する肉眼解剖学的知見を放射線医学，脳神経外科学，神経精神医学，神経内科学などの分野における基本的な知識として活用していこうというのが近年の動向である．そこで本稿ではまず脳外側面および下面に分布する回と溝について述べ，次に脳外側面から島Insulaおよび大脳基底核Basal gangliaを経て内包へいたる剖出法，Lateral approachを紹介する．