連載 IT自由自在
LANを利用した患者主要データ保存,参照システム
片倉 康喜
1,2
1山形大学医学部脳神経外科
2片倉病院脳神経外科
pp.732-735
発行日 2005年7月1日
Published Date 2005/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1436100103
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はじめに
脳神経外科の日常業務において扱われる情報は,診断,治療モダリティの増加に伴い,その種類と量は飛躍的に増加している.従来,紙カルテとフィルム,ビデオテープに納められていた情報に加え,写真やビデオのデジタル化に伴いハードディスク,光ディスク,半導体メモリ,デジタルテープ上のデータも多く扱われるようになった.また,学会発表においてもコンピュータープレゼンテーションが主流となり,個人で管理するデータの量も増加の一途を辿っている.
情報を保存する場所も,個人のコンピューター,メディア,医局のサーバー,医局の本棚,戸棚,実験室等々散逸しつつある.
データがデジタルであることの有用性は,
①正確な再現性
②複写における劣化がない
③伝送における劣化がない
④情報密度が高い(保存のための空間が小さい)
⑤複数の場所で同時に利用可能
⑥データを再利用しやすい
ことが挙げられるが,複数の保管場所・様々な端末で管理しているためにこれらの利点が十分にいかされていない場合が多い.また,データの管理が行き届かず,データを紛失する危険性も増加している.山形大学脳神経外科ではこれらの問題に対処するためにデータを統合的に,効率よく保存,利用できるシステムを模索していた.
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