Japanese
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特集 脳のシンポジウム
主題:生体の情報処理
下等動物の情報処理
Information Processing
桑原 万壽太郎
1
Masutaro Kuwabara
1
1九州大学理学部生物学教室
1Department of Biology, School of Physics, Kyusyu University
pp.543-546
発行日 1967年10月25日
Published Date 1967/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906419
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I.もつとも簡単な動物の情報処理
たとえば昆虫のような動物でも,いわば感覚情報の洪水の中にいる。それは感覚器の能力はかなりすぐれていて,種々のモダリティーにわたる広汎な感覚情報を中枢に送りこんでいることがじゆうぶん予想されるからである。
それにもかかわらず,各種の下等動物がそれぞれ,特定の餌を求め,同族の異性を求め,特定の産卵場を求め,敵の近接を察知して身をまもる。そこには情報の洪水の中から,ある特別な情報だけが選択され,かなり固定的なある行動型の中枢を活性化するという情報の巧みな処理が行なわれているのにちがいない。
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