Japanese
English
特集 心臓のリズム発生
総説
下等動物の心臓リズム
Cardiac rhythm in lower animals
江原 有信
1
Arinobu Ebara
1
1筑波大学生物科学系
pp.195-202
発行日 1978年6月15日
Published Date 1978/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425903255
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はじめに
1928年William Harveyが心臓の拍動と血流について画期的な研究を発表してから,心臓は生物学,医学などの研究対象になることの多い臓器であるとともに,近年は心臓病による死亡が目立つこともあって,相変らず注目を集めている。Harveyは研究材料として脊椎動物ばかりでなく,甲殻類・昆虫類および軟体動物も使い,心臓が血流を生じさせていることを明らかにした1)。
心臓は動物体から取り出して適当な条件においても,自動的規則的に拍動を続けることは18世紀後半以来知られた事実である2)。適当する外液条件はRingerによって研究され3),その成果は生理学実験に広く応用されている。心臓リズム発生の根源は心臓に内在していることも明らかである。しかし,心臓と名がついているリンパ心臓は脊髄神経によって駆動されている4,5)。
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