Japanese
English
特集 脳血管障害の諸問題
序論
Introduction.
半田 肇
1
Hajime HANDA
1
1浜松労災病院
1Hamamatsu Rosai Hospital
pp.193
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431906178
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- Abstract 文献概要
脳血管障害は昭和26年以来,我が国死因の首位を30年間にわたって占めていたが,近年癌,心筋梗塞に次いで第3位になった。これは診断とくに画像診断法の進歩,病態生理の解明とともに予防,治療の面で著しい進歩がみられたからである。
このように脳血管障害による死亡の減少とともに,脳血管障害の様態にも大きな変化がみられている。第1は死亡の減少は脳出血,ことに大出血が激減したためで,脳血管障害の発生頻度は決して減少していないことである。第2は人口の高齢化とともに虚血性疾患(脳梗塞)の数の増加である。従来欧米ではstrokeといえば,多くの場合脳梗塞を意味していたが,我が国でも脳梗塞の予防,治療が今後の重要課題となってきている。そして,脳血管性痴呆をはじめとして,大脳白質の障害,たとえばBinswanger病,Leukoaraidosis(Hachinskiら)が注目され,アミロイド・アンギオパチーなどとの関連が問題になっている。
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