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I.はじめに
てんかんを臨床的に脳の種々の病態に応じて引き起こされるけいれんないし意識減損の発作を繰り返す病気と規定すると,そのてんかん原性,すなわち発作準備性と発作反復性を解明することが重要な問題となる。しかしこれはまだ解明されているわけではない。生理学的には,けいれんは脳の神経細胞内の未知の生体反応により引き起こされる過剰放電とその伝播による現象とされる。その未知の生体反応を生化学的に解明するため,種種の脳内物質とその代謝系の検討が行なわれてきたが,まだけいれん発現機序は物質的に解明されたわけではない。けいれんの物質変化の検討を行なう場合,従来から報告の多いけいれん現象に伴う物質的変化と,けいれん発作を引き起こす準備状態の基底にある物質的変化を区別する必要がある。重要なのは後者であり,刺激促進系と抑制系の神経伝達物質およびイオン透過機序などが取り上げられてきた8,69)。
一方,けいれん発現機序の物質レベルの解明は抗てんかん薬の作用機序の物質レベルの研究と表裏一体の関係をなすものと考えられるため,両者の研究を対比させることにより両者の進展があるものと考察される。抗てんかん薬の総説は多い1〜3)。
Abstract
It has been proposed due to electrophysiological and pharmacological studies that epileptogenecity may be associated with endogenous neurotrans-mitters, such as presumable excitatory substance acetylcholine and glutamate as well as presumable inhibitory substance GABA and catecholamines. The molecular-biological approaches have recently been made available for receptors of either such endogenous compounds or various drugs, and also for ion channels of either Na+ or Ca2+.
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