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特集 創刊20周年記念 第1部
精神医学への生化学の接近
The Impact of Biochemistry on Psychoses
柿本 泰男
1
Yasuo Kakimoto
1
1愛媛大学医学部精神神経医学教室
1Dept. of Psychiatry, Ehime University School of Medicine
pp.465-477
発行日 1979年5月15日
Published Date 1979/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405202932
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I.はじめに
精神医学における生化学的研究は予想外にその重みを増してきた。筆者は脳の生化学の研究はしてきたが,精神病と生化学とを結びつけようとする試みは未だ早すぎると思っていたし,その方向の研究にはむしろ批判的であった。ところが,最近になって,比較的着実な成果が挙り始めている。それは治療に貢献するところまでには距離があるとはいえ,精神医学の進歩の道すじに,明確な足跡を後に残すものとなろう。
この小編で筆者は専門的な生化学的研究を述べるつもりはない。一般的な精神科医--その中には生化学嫌いの人も多いことを念頭において--に大まかな流れと,意味とを解っていただくことを目的として書き綴ってゆきたい。
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