特集 神経学における最近の研究
<臨床>
抗てんかん薬の血中濃度
清野 昌一
1
,
宮本 侃治
2
1国立療養所静岡東病院
2国立神経センター代謝研究部
pp.810-812
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904942
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抗てんかん薬の体液(血清,髄液,唾液)中の濃度測定が臨床的に応用されるに至ったことは,てんかんの薬物治療の歴史からみるとphenobarbitalとphenytoinの開発につぐ大きな進歩であったといわれている。血中濃度測定によって開かれたてんかん治療の新しい方向は,在来の薬物治療の方法を見なおすことによって明らかとなる。
そのひとつは臨床症状を手がかりとする粗大な用量の決め方である。ある発作型に合う薬物が選ばれると,その発作が完全に抑制されるかさもなくば用量依存性の副作用が現われて来るまで服用量をあげて行くのがひとつの方式とされていた。
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