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はじめに
最近,電気生理学的手法であるspike-triggered averaging法(本稿IV-A-3の項に後述)が前庭系に応用され,知りたい単一VOnと標的外眼筋mnとのシナプス結合の様子が明らかとなった。また,機能的に同定した単一VOnの軸索にHRPを注入することで細かな軸索側枝の状態もわかってきた。これらの前庭眼反射弓の発達についても一部明らかになってきた。異なる方法論により得られた前庭眼反射弓の神経機構の基本的神経回路を,今の時点で重ね合わせ,整理することは,それ自身意味があると同時に,筆者自身の今後の研究の方向づけに役立つと考えこの綜説を書いた。もちろん前庭系には前庭ニューロンの動特性・多シナプス神経機構・前庭性および視性眼振の神経機構・視覚入力と前庭系・平衡感覚・小脳とのかかわり・随意眼球運動と前庭核ニューロンの役割・可塑性など重要なテーマも多いが最小限にとどめ,ここでは前庭眼反射に関係する一次・二次VOnの経路,単一VOnが多眼筋mnに発生するunitaryPSPの性質,前庭眼反射弓の発達について述べ,同時にこれらの結論を導いた実験の方法について概説する。
The original intent of this review is to offer a basic neural circuit of the cat vestibuloocular reflex arc. The synaptic linkages of the ampullary nerves of the anterior, posterior and horizontal semicircular canals to target extraocular motoneurons, established by microstimulation, spike triggered averaging and intra-axonal injection of HRP, are summarized in Fig. 9, in which both main and associated neural linkages of the vestibuloocular reflex arcs are presented.
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