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I.はじめに
筋ジストロフィー症に関し,近年の知見の集積には目覚ましいものがあるが,発症機序は依然として不明であり,この点に関しては,まだ種々の方法による研究が必要な段階である。筋ジストロフィー症の発症機序に関し,これまで種々の研究がなされてきているが,その一つに活性酸素による細胞障害説がある。この仮説は,活性酸素の代謝に関係したsuperoxide dismutaseやglutathione peroxidase活性がジストロフィー鶏において上昇していることの発見が根拠となっている21,24)。ジストロフィー鶏は,人のジストロフィー症研究のモデルとしてよく研究されているが,上記のデータは,それぞれ4か月齢,18か月齢のジストロフィー鶏についてなされたものであるので,筋障害に対する二次的変化を反映したものであることが完全には否定できない状態であった。われわれは活性酸素の異常がジストロフィー症の発症に重要な役割を果たしているならば,発症早期より,活性酸素代謝に関連した諸酵素に異常が出現しているはずであると考え,ジストロフィー鶏をモデルとして,発症早期の活性酸素関連諸酵素の検討を行なおうと考えた。
Developmental changes in superoxide dismutase, catalase, glutathione peroxidase and glutathione reductase activities and thiobarbituric acid-reactive products were assayed in the dystrophic chickens of New Hampshire series line 413 and the results were compared to those of the controls line 412.
Superoxide dismutase activity was measured according to the method of Misra and Fridovich (1972). Mn superoxide dismutase activity was assayed in the presence of 2 mM KCN. The difference between total and Mn superoxide dismutase activities was considered to represent Cu-Zn superoxide dismutase activity.
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