Japanese
English
特集 ポジトロンCTの神経研究への応用
ポジトロン放射薬剤の開発と神経研究
Development of positron emitting radiopharmaceuticals for neurology
井戸 達雄
1
,
石渡 喜一
1
,
川島 孝一郎
1
Tatsuo Ido
1
,
Kiichi Ishiwata
1
,
Koichiro Kawashima
1
1東北大学サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター
1Cyclotron and Radioisotope Center, Tohoku University
pp.190-200
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431905583
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
神経科学分野において,3Hや14C標識化合物を利用した実験動物でのオートラジオグラフィーは,神経細胞での物質代謝に関する研究や,神経伝達物質のレセプター分布などの研究に多大な貢献をしてきた。しかしながらこの手段では,時間変化に対し断片的な情報しか得られず,しかも同一個体における変化を追うことは全く不可能であった。
1970年代に急速に発展したポジトロン核医学の手法は,ポジトロン標識化合物のin vivoでの代謝動態を体外計測による連続的な画像情報により,同一個体での時間変化としてとらえることを可能にした。しかも利用するポジトロン放射薬剤の物理的半減期が短いので,被検体に与える放射線被曝が小さく,人体に応用した時のデメリットはX線診断に比べかなり低く見積ることができる。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.