Japanese
English
特集 視覚系の機能分化
PETでみる視覚野の機能
Positron emission tomographic studies on the central mechanism of vision.
田﨑 京二
1
Kyoji TASAKI
1
1理化学研究所フォトダイナミクス研究センター
1RIKEN Photodynamics Research Center
pp.433-438
発行日 1991年6月10日
Published Date 1991/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431900144
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はじめに
20世紀後半における生物科学の飛躍的発展は,人工放射性同位元素(RI)の利用に負うところが大きい。RI利用のうちで最も普及しているものはオートラジオグラフィーである。これは,神経伝達物質・ビタミン・アミノ酸・脂肪酸などの生活関連物質を,3Hや14Cなどでラベルして生体に取り込ませ,放射線の写真作用によって放射線源の体内分布を二次元画像として捉え,代謝過程などを明らかにするものである。
3Hや14Cなどから放射されるβ線のエネルギーはきわめて低いので,充分な画像を得るためには,薄片組織標本に写真感光膜を密着させ,長い日時の露出が必要である。したがって通常のオートラジオグラフィーは,とても人体にまで適用できるものではない。さらに,これらのRIの半減期は,たとえば3Hが12年,14Cが5,570年,32Pが14日,35Sが88日などと,非常に長いので,放射線被曝が多くなることも人体に用いられない理由となっている。
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