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L-ドーパがパーキンソン病の治療に導入されて欧米で20年,わが国でも10年以上を経過し,現在なおパーキンソン病の最も有効な治療法であることに変わりはないが,長期投与により種々の問題を生ずることがわかり,最初に考えられたほどL-ドーパ治療はバラ色ではなくなっている。現在では臨床家はいかにしてL-ドーパ長期使用の副作用を少なくするかに心を砕いているのが現状であり,それらに対する新しい試みや,新薬開発の努力が行なわれている。いっぽうL-ドーパの使用により,従来の神経学には記載されていなかった新しい症候も観察されている。そこで本稿では,最初に文献例に基づいてL-ドーパ長期使用の問題点を解説し,次に自験例につきL-ドーパ治療5年後の結果を簡単に紹介し,これらを踏まえてL-ドーパ以外の抗パーキンソン剤の位置づけについて触れ,最後に現時点でのパーキンソン病治療のあり方について私見を述べてみたいと思う。
Literatures on problems of long term levodopa treatment of Parkinson's disease were reviewed and results on personal series were presented. Clinical problems of long term levodopa treatment can be summerized as follows: (1) loss of efficacy, (2) end fo dose deterioration, (3) start hesitation, (4) freezing episode, (5) on-off phenomenon, (5) dyskinesias, (6) mental symptoms and (7) sudden death.
The author's series consisted of 28 patients with Parkinson's disease who have received levodopa with or without a peripheral dopa decarboxylasc inhibitor for more than five years.
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