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当初に与えられたテーマは「脳の発達と睡眠」だった。動物とヒトに分け,そのおのおのについて解剖学的な脳の発達と,電気生理学的な脳波あるいは誘発電位の発達を概説し,睡眠の個体発生とこれらの知見をできるだけ相関させて記述し,ゆとりがあれば系統発生にも触れ,また精神遅滞児を中心として私どもの成績も紹介しようかと考えていた。
しかし,そのつもりで改めて文献を読み返してみると,当然のことながら解剖は解剖,脳波は脳波とそれぞれの枠内でのみ述べられているのが大部分で,いくつかのすぐれた綜説はあるが1〜5),それらから最初に考えたように脳の形態・機能の発達と関連づけて睡眠の発達を追うことなど,短期間にはとうていできないことがわかってきた。たとえば,解剖学的構造との関連がかなりはっきりしているかに思える睡眠紡錘波でさえ,脳の構造・機能の発達と関連させて記述することは決して容易でない(Shibagaki and Kiyono,19806))。そこで当初のテーマに「豊環境における」とつけ加え,最近の動向を紹介することにした。
Abstract
The Berkeley group (Rosenzweig, Bennett, Diamond et al.) has shown that the environ-mental enrichment results in further development of the brain (mainly cerebral cortex) anatomically and chemically in rats, mice and gerbils. In the environmentally enriched condition (EC), 10 to 12 rats were housed together in a large wire-mesh cage (76×76×46 cm) with various toys. The toys were replaced daily with the new ones from a standard stock.
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