書評
—稲永 和豊 著—フォローアップ 臨床脳波アトラス
六川 二郎
1
1大阪大学
pp.1467
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1406203413
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永年各種脳疾患を脳波を中心にして電気生理学的に研究され,かつその面でactiveなneroscientistである福永和豊先生の盟富な経験と落着いた人格と哲学を感じさせる脳波アトラスである。
その序文にのべられているごとく,「今日まで数多くの臨床脳波に関する内外の教科書が出版されたが,ある症例をとりあげてその症状の経過につれて脳波がどのように変化してゆくかを詳しく記載したものはほとんど見あたらないようである。筆者は今日まで同一の患者の脳波を比較的長期間にわたつて観察する機会をしばしば持つことができたが,臨床脳波をよりよく理解するためにはこのような追跡観察がきわめて大切であることを痛感させられた……必ずしも容易なことではなかつた。」がすべてを言い尽している。
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