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ネコの大脳皮質聴領は,Woolsey29)によれば,1次聴領(AI)および2次聴領(AII),3次聴領(AIII),posterior ectosylvian(Ep),insular areaに分けられる。とくにAIでは,クリック音に対して短い時には約10msecぐらいの潜時で誘発電位が見られる。しかしその他の部位では誘発電位の潜時も長く閾値も高く,AIにおけるよりもさらに高度な情報処理をしているものと考えられる。皮質聴領での情報処理機能を知るには単一ニューロンによる研究が不可欠であるが,AIでは比較的多くの研究がなされている。AI以外ではほとんど研究がなされていないので,以下主としてネコの1次聴領(AI)の単一ニューロンの行動について述べる。
大脳皮質1次聴領の周波数局在性は,イヌでTunturi25)がストリキニン法による誘発電位で調べたところによると,前方が高音で後方が低音というきれいな周波数局在性があるとしたが,その後多くの研究3,5,10)が単一ニューロンのレベルでなされ,だいたいの傾向として周波数局在性は認められるものの,はっきりとした局在性は認められないとした。しかし最近Merzenich14)らはネコのAIに前方が高音で後方が低音である明確な周波数局在性があることを見出した。
Abstract
In the primary auditory cortex (AI) of thecat, an evoked potential to clicks was observed with a short latency of approximate 10 msec and low thresholds. In the other auditory area of the cortex, however, an evoked potential to clicks had a longer latency and higher thresholds. It is considered to have higher information processing in the other auditory cortices than AI. This paper describes mainly AI in the followings.
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